ハリウッド版攻殻機動隊「GHOST IN THE SHELL」は原作と比較してみると10倍楽しい。(後編)

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前編からの続きです。
※映画のネタバレがありますのでご注意ください。


原作は1991年初版、士郎正宗氏の漫画「攻殻機動隊」(講談社)です。
以下の文章中、アニメーション映画1作目「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」を映画1、続編の「イノセンス」を映画2、

アニメシリーズ「STAND ALONE COMPLEX」をSAC、「2nd GIG」をGIG、「Solid State Society」をSSSと省略して表記しています。「ARISE」はそのままです。


■オウレイ博士の指の数
 原作、映画1でも出てきた指先がさらに枝分かれして高速タイピング。
 原作の解説によると、この世界ではほとんどの人が電脳化手術(自分の脳を直接ネットに繋げるようにするためのもの)を受けているが、自分の子供くらいの年齢の電脳医師に脳をいじられたくないと考える博士のような人は、脳以外の部位を強化して非電脳のギャップを埋めるべく努力しているようです。
 ただし、素子やクゼなどに全身義体化を試みておいて、自分は電脳化すらしたくないと思っているのでは矛盾が生じるため、オウレイ博士が電脳化しないのには、原作とは違う理由があるのかもしれません。(もしくは電脳化はしていて、指先も改造している、とか)
 しかし、作中、オウレイ博士だけは他者と電脳通信をしている描写はなかったように思えます。真相を知るべく、素子がオウレイ博士の自宅にわざわざ乗り込んだのは、博士を問いただす手段が他になかったからとも取れます。
 

■クゼのアジトにパッキングされた人間
 9課がクゼのアジトに乗り込んだ際、映画2に出てきたような真空パックされた人間(ロボット?)が画面端にチラッと映ります。

■顔のパーツってそんな簡単に取れるの?
 素子がクゼに捕まえられている姿勢は、映画2のラストでゴーストダビングされそうになっていた少女と同じです。プラグを引き抜くのは映画2ではバトー。
 それにしても、顔の表面のパーツってあんな簡単に取れていいのでしょうか。そして律儀に戻すクゼ。

義体換装ができてないクゼ
 メンテナンスをまともに受けていないクゼの義体はパーツのつなぎ目からひびが広がっています。

■素子の義体完成前に失敗したのは98人
 なにか意味のありそうな数字ですが、原作等との関係は今のところ不明。

■フローターなしで浮上する素子
 原作では義体は生身の人間より重いため、フローターを付けないと沈んでしまいますが、本作では足に付けたフィンだけで浮上できています。
 海に潜った感想をバトーに尋ねられた際の素子の答えは、「海は虚無」。映画1では最後に「希望」と答えているため、バトーの情報に対する認識と同じくここでの素子の答えも原作と相違があります。

 ダイビングスーツを脱ぐシーンは映画1と同じ。


■脊髄に注射する液体の色
 素子の廃棄を決めたカッター社長に命じられてオウレイ博士が素子の脊髄に毒薬?を注射しようとするシーン。
 SF界の巨匠アイザック・アシモフ原作の映画「アイ・ロボット」(ウィルスミス主演)にも、心を獲得したロボットのサミーが廃棄されそうになるシーンがあり、博士が偽の薬を投与して助けるところまで同じ展開です。

■課長の部屋のデザイン
 椅子の後ろに竹林が見える部屋のデザインは映画2に出てくる課長の執務室と同じです。

■アヴァロンアパート
 名前は映画1、2とアニメシリーズの監督を務めた押井守氏の実写映画「アヴァロン」からとったものと思われます。
 集合住宅はsssにも出てきましたが、sssでも集合住宅にすんでいるのは老人(と誘拐されてきた子供)ばかりでした。

■猫の名前はパンプキン
 パンプキンの由来はわかりません。
 ここで桃井かおりが登場したときは突然すぎて他人の空似かと思いました。桃井さんは英語でも日本語と同じトーンでしゃべるんですね(笑

■トグサはやっぱりオートマチックリボルバー
 食事中襲撃されたトグサがとっさに懐から出したのは、やっぱりオートマチックリボルバー
 作中、少佐からセブロやツァスタバにしなさいとは言われていないので、堂々と携帯できますね。
 原作や映画1ではマテバ社(イタリアの銃器メーカー)の銃が好きであることを少佐に訴えています。(少佐にはあえなく所持を却下されます。)
 銃身の上にベンチレーテッドリブがあるので、6unicaでしょうか。
 
■多脚戦車のカメラを一個壊している!
 クゼと共同戦線でカッター社長が遠隔操作する多脚戦車と対峙。戦車のデザインは映画1そのままですね。
 映画1の多脚戦車との戦闘では、分かりづらいのですが、素子がライフルで戦車の左目だけは壊しています。今作にも、やはり一瞬ですがその描写があります。

■戦車の蓋をこじ開けるシーンは毎度お馴染み。
 映画1、映画2、SACでも見られる筋肉や骨の限界を無視した義体ならではの動きですね。


他にもまだまだありそうですが、一旦ここで終了です。
読んでいただきありがとうございました。